リアルとバーチャルの有機的な融合
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■2005年 7月e-研交流会の記録 2005/7/23
章へジャンプ→  開催のお知らせ|夏の朝方向性の共有難しいのはサジ加減手術もチャンス?最も強烈なストローク実は同じところでつまづいている?ポジションをとる論より実践手羽先ビール考えるとはひとつ心配・・・ 
■ 開催のお知らせ

次回e-研交流会の開催案内です♪

ここ数回「(実際に試しながら)作る」というテーマだったような気がしますので、今回は更に研究を進めてみたいと思います。

前回、前々回では「蹴りに対する限定乱捕」「突きに対する限定乱捕」まで行いましたので、今回はもう少し限定条件を緩めての乱捕を行ってみたいと思います。

参加者には面、胴、拳サポ、スネサポ、(必要に応じて)金的カップを着用いただき、「攻守立会い」までできればと考えています。先輩だろうが段位が上だろうが、受けられなければ叩かれたり、蹴りこまれてしまうシビアな世界になるかと思いますが、それを乗り越えてでも自信の持てる技を身につけたいと思う皆さんとの交流を楽しみにしています。
す。

と言うことで今回もMAX16名、一応先着順。でも、ちょっとだけ女性、新人さん優先でいきたいと思います。ひとつヨロピコ(^◇^)
ちなみに今回、面と拳サポ持参は必須条件です。


日時:7月23日(土) 9:00-12:00
場所:都内体育館 (参加者のみご連絡します)

テーマ:「攻守立会い乱捕への道」
参加資格:少林寺拳士

参加費:会場費の割り勘(たぶん225円)

注意:参加は各自責任を持って主催者に迷惑の掛からぬようお願いします。

防具:面(スーパーセーフ、二重面どちらでも可)。その他、練習相手に怪我をさせないためにも、持ってる防具はフルセットで持ってきましょう。(面、胴、金的、拳、スネ)

ルール:相手に怪我をさせない

持ち物:自他共楽の気持ち

申し込み:minglong@tc5.so-net.ne.jp あてに名前、所属、段位をご連絡ください。

■ 夏の朝

家から近い会場なのでいつも愛車で向かっていた。だけどこの日は車を車検に出したまま戻ってきてなかった。最寄の駅から電車を使うと、3本の路線を乗り換えなくてはならない。20分ほど歩く遠い方の駅まで歩けば1駅で比較的会場の近くまで行ける。僕は遠い方の駅へと歩き出した。

重い・・・ 道衣と防具の他、パソコンや液晶プロジェクターを持っている。持ち上がらないことはないが、肩に食い込むバッグの帯が痛すぎる。途中でタクシーを拾ってしまった(^^;

おかげで予定より随分と早い会場到着となった。開催30分前で一番早く来たのがKaraさんだ。激しい拳法を好む反面、国会議員の秘書経験や英国留学経験という紳士の側面も持つ変り種、大学拳法部出身の37歳だ。

そこへりょっきーさんが来た。今回も夜行バスで青森から参加だ。もちろん家族の了解をとってのことだが、移動距離をものともしないりょっきーさんの拳法好きの度合いは半端ではない。

そうしているうちに段々と人が集まってきた。

■ 方向性の共有


順突を切り落として首に手刀を当てる
最初の頃、e-研交流会はテーマも決めず自由に練習する形態をとっていた。その頃はそれでもある程度の方向性があったのだ。やがて回を追うごとに方向性がバラけてくるようになった。

正解がひとつだというつもりはないが、プライオリティやポジショニングは重要で、それを無視すると単なる仲良し練習会か雑技団となってしまう。最近バイクツーリングの事故が増えたと聞く、その一因にネットで知り合ってのオフ・ツーリングの増加が挙げられている。お互いの技量を知らない同士でつい無理をしてしまうらしいのだ。これはバイクだけの話ではないと思う。少林寺拳法のオフ練習会でも同じことが言える。

単なる仲良し練習会が悪いというつもりもない。選ぶのは本人の自由だからだ。ただe-研交流会の軸足はそこなにはない。自己責任での参加とはいってもオフ練習会を主催する側はその程度のポジショニングは明確にすべきだと思っている。

そんな思いもあり、ここのところ毎回テーマを決めるようにしていた。そして参加者皆で方向性を共有できるようチャートを使ってプレゼンをしていた。仕事柄プレゼンは得意なほうだ。最近社員販売で液晶プロジェクターも安く買った。普段は笑竜庵で映画鑑賞用に使っているが、今日はe-研交流会で活躍してもらう予定だ。

■ 難しいのはサジ加減

ただ懸案もある。ここ数回のe-研交流会はレクチャー・モードが濃く、僕自身はちょっと物足りない。だから今日はプレゼンの時間を短めにして僕自身ガンガン動きたいと思っていた。僕の中では昔東京センターの地下で行われていた「土曜倶楽部」での乱捕をもう少し無理なく安全にしたようなものをイメージしていた。

とは言っても研究の方向性を合わせたり、安全性についての共通認識を持つためには、知識の消化時間として、やっぱりある程度の時間が必要となる。エイヤッと割り切って最初のレクチャーに30分、その後、実験タイムとレビュータイムを20分づつ交互に数回行うことにした。

レクチャータイムにはいくつか深めの分析も入れてみた。直接技に結びつかなくても周辺情報として重要だと考えたからだ。ネット上には技術だけ参考にしてやろうと考えるおかしなのもいるから全てを出す気はないが、その一部は「プレゼン資料」コーナーにアップされているものから見ることができる。

■ 手術もチャンス?


攻守当てさせでウォーミングアップ
とりあえず、細かい指示はせず何人かで組になってそれぞれのペースで練習をすることにした。僕はウォーミングアップがてらに攻守当てさせ乱捕をすることにした。

グループのメンツはk2さん、Karaさん、青幇爺さんだっただろうか。ローテーションを組み順繰り全員と乱捕した。

k2さんは近々手術を受けるらしい。命に別状がある大病ではないがしばらく少林寺拳法の練習もできなくなるらしい。この時期に開催してもらえて良かったと言われていた。

身体を動かせないことで思考が進むことはままある。物事をネガティブに捉えると他人を恨みたくなるしキリがない。誰かの言葉で「泣いて暮らすも一生、笑って暮らすも一生」とういうのがあったが、自分に降りかかる不幸すらポジティブにとらえられると人生が違った色に見えてくる。もしかしたら手術というのも神様がくれたチャンスかもしれない。

■ 最も強烈なストローク

りょっきーさんが同じチームの人たちの練習を見ていたので僕は一緒に身体を動かすことにした。身体ばっかり動かしていても上手くはならないというのが僕の持論だ。仲間の練習を見て、どこが悪いか、どこがうまく処理できたかを見たほうが良いと思うので、3、4人で1組としている。だから反則といえば反則なのだが、せっかく青森から練習に参加して手ぶらで帰してはかわいそうだ。

受け方いろいろ・・・
普段の練習では顔面パンチが上手く捌けないことが課題らしい。たしかに動きが「たどたどしい」。「読み」⇒「受け」⇒「崩し」⇒「反撃」が一気動作になっておらずブツ切れだ。反撃を考えず受けだけに集中してもらうことにした。但し、絶対にバックステップを使わないことを条件にした。退がらずに受けることができれば、その後の動きは比較的簡単に修正がきく。

誘導的攻撃で「読み」から「受け」までの動きをならしていく。誘導的と書いたがコーチングの世界ではペーシングと言うらしい。相手のペースに合わせることだ。ゆっくりしたモーション大き目のパンチだとしても、示し合わせてないパンチを万全の体勢で受けられるのだ。これは小さいながらも自信になる。そしてこの小さい自信を蓄積することに意味がある。

これは最近メンタル・ヘルスの世界で注目されている「ストローク」理論の応用だ。決め事の無い攻撃を受けられたという「現実」は自分に対する強烈なストロークとなるからだ。実際りょっきーさんは先ほどとは別人のようにスムーズに突きを受けるようになっていた。

■ 実は同じところでつまづいている?

レビュー・タイムで追加の説明をしたり、何か発見や疑問の見つかった人とのディスカッションを行った。

すえひろさんから「上段の戦術が上手く組めない」という質問がでた。言葉こそ違えど、りょっきーさんと同根の悩みだろう。悩み所は人によって違うと言うものの、100人が100人とも全く別ということはまずない。大体いくつかに分類できるし、その数も意外と少ないのだ。そして、自分もかつて陥った悩みだと脱出方法もなんとなく見える。

さっきりょっきーさんにしたように、軽いパンチをすえひろさんの顔に出し、「慣れる」というトーンで受けを覚えてもらった。

すえひろさんは先日初めて帰山されたそうだ。痩せ型の体格は以前と変わらないが、どこと無く自信にあふれているように見えるのは帰山効果だろうか。

■ ポジションをとる

戦術を組むときのコツとして「できるだけシンプルに」という話をした時だったか、あるいは相手の動作を途中まで見たら結果を判断する読みの話だったか覚えてないが、先日支部の掲示板でちょっと盛り上がった「僕の好きな言葉s」の中で僕が紹介した言葉をオグポンさんに言ってもらった。驚いたことに彼はほぼ9割方その言葉を暗記していた。どうやら琴線に触れたようだった。

その言葉とは「判断に迷った時、その人間のプロ度が分かる。プロは正解を求める代わりにとるべきポジションを決める。そして一度ポジションを決めたら最後まで貫く意志を持つ」。これは現在日本テレコム社長をつとめる倉重さんの言葉だ。

乱捕において100%完璧な読みなどない、瞬間的に読み取ったらあとは自分の読みを信じて一気動作で終りまで持っていく。そんな乱捕時の心構えと似ていると思ったのだ。

オグポンさんは僕の支部の部員でもあるが高校拳法部のOB兼コーチでもある。いずれにしても人から「ほーっ」と言われるような使い手になってもらいたい。

そのオグポンさん、前日に痛風の発作が起き、いつもの2倍の痛み止めを飲んでの参加だという。ビールの飲みすぎもさることながら、筋力トレーニングなども痛風には悪いらしいのでほどほどに。

グルトさんの目が充血している。ちょっと心配だ。グルトさんは支部新設講習会以来の同期だ。僕より半周りぐらい若いが落ち着いていてどっちが年上か分からない。

ひでまろさんとあんずさんが組んで練習している。この組にはあざらしさんが付きっきりだ。せっかくの機会なので、いろいろと教えてもらうとよいだろう。

■ 論より実践

熱いの大好き♪
青幇爺さんがちょっと苦労していた。肩の引けた突きを前に崩そうとしている。当然引き合う力がぶつかって膠着状態になる。これは僕もよくハマッた落とし穴だ。理由は簡単で守者の戦術を攻者の気持ちでおこなってしまうとこうなる。

守者の戦術はあくまで守者の気持ちでやらなくてはならない。心気力の一致と言うやつだ。そして守者の気持ちとは能動ではなく受動だ。相手の重心が前なら前に崩す、後ろなら後に崩すというように相手中心でなくてはならない。

今回初参加の断さんが懐かしい拳サポをしていた。大道塾の北斗旗大会用拳サポだ。なんでも昔1年ほど通っていた時期があるとか・・・。攻撃の動きを見ても少林寺拳法というよりはっきり言ってフルコン・スタイルだ。かつて他流派として大道塾のマットに上っていた僕にとっては懐かしい。見ていると昔の気持ちを思い出し、アドレナリンが大量に出ているのが分かる。
断さんとオグポンさんに混ぜてもらって僕も一緒に乱捕した。

ロングさんにもお相手してもらった。ロングさんは学連出身だからだろうか、かつて土曜倶楽部で一緒に練習していた関東学連のOB達と似たよく伸びてくる突き蹴りを出す。それを掬って投げたり、外して入ったり・・・、数秒以内に決着をつけるテンポの早い乱捕を10本くらいこなしただろうか。ちょっとワイルドな練習でいい。かつての土曜倶楽部の臭いを思い出した。

こんな乱捕ができると乱捕練習もかなり楽しいものとなる。e-研交流会でも大してレクチャーの時間をとらずに即こんな練習ができるようになるのが理想だ。

k2さんにもお相手してもらった。k2さんはまたロングさんとは全然ちがったタイプの攻撃だ。当て身が浅く、反対に守勢に回るのが早い。こういう相手はこちらがコントロールしようとした瞬間裏をかかれる。守者に徹して相手に痺れを切らさせるように持ち込むことが重要だ。

僕自身は今日の練習内容はそこそこ満足だ。いつもより僕自身が身体を動かせたことが大きいと思う。そのぶん周りの人がどこで何をやっていたかはよく分からないが、みんな楽しそうな顔をしてるし、怪我人も出てないからまあいいだろう。

■ 手羽先ビール

昼過ぎから近所の居酒屋で行ける人だけで2次会を行った。名古屋風だろうか甘辛の手羽先をかじりながら飲む冷たいビールがなんとも美味い。チェーンの安居酒屋にしてはやってくれるぜ。

何人かの方からプレゼンが分かり易かったとのコメントをもらった。前日まで出張に出ていたが、深夜に業務が終わってからとか、特急電車で移動中とかもノートパソコンを立ち上げて修正した甲斐があった。

後で妻からも最近プレゼンが上手くなったとの評価をもらった。もともとプレゼン機会の多い会社だったが僕は現在エグゼクティブ研修の部門にいる。毎月何十人もの企業経営者の方にプレゼンをするのだ。プレゼン技術が磨かれないわけはない。先輩講師から口やかましく注意を受けるのにはうんざりだが、このときばかりはありがたいと思った。

■ 考えるとは

当たり前のことだが、自分が今何の練習をしているのか分からずに漠然と身体を動かしていても、技は上達しない。同様に協力するお互いが違う目的の練習をしてもやはり効果は薄い。初心者のうちは小理屈を並べるよりまずやってみることが大事だが、有段者になったら今度は考えて練習することが大切になってくる。拳禅一如とはそういう意味でもあると思う。

正しい方向で、どこまで深く考えられるかが練習の成果を大きく変える。このとき注意すべきことは考えることと悩むことは違うということだ。ただ悩んでいるだけでは答えは見えない。考えるためには参照できる別の考え方や事例を必要とする。そう考えるとあれほど嫌いだった学校の勉強ももっとやっておけばよかったなとも思う。

ちなみにKaraさんも大学のコーチとして指導をする時は「この技の肝は何?」と聞くようにしていると言う。深く考えることと難しく考えることはイコールではない。シンプルに核心を認識させるこの方法は有効だと思う。

■ ひとつ心配・・・

打上の席での話は多岐にわたった。途中震度5強の地震があったが飲んだ僕らに怖いものはない。誰かが「大きいぞ」と言ったが、また別の誰かが「大丈夫、大丈夫」と根拠のない大丈夫説をとなえた。

技の練習を始める人もいたし、今度みんなでバーベキューをやろうなんて話で盛り上がったりもした。でもバカ話をしながらも練習の疑問点を明確にしたり、失敗原因を明らかにすることができる。少林寺拳法の本でよく歯と唇の話が出てくるが、練習を歯というなら打上は唇だろうか。せっかく力を込めて食べ物を噛み砕いても唇がなければこぼれてしまってあまり栄養にはならない。練習もしっぱなしではなく練習後に振返る機会があることは効果を2倍か3倍にするのではないか。

その後一旦解散し、僕は深夜バスで青森まで帰るりょっきーさんと2人でギリギリまで飲みなおしていた。

夜帰宅するとマンションのエレベーターが止まっていた。このとき初めて地震の影響の大きさを知った。JRを始めとする公共の交通機関にも相当の混乱が生じていたが、りょっきーさんは青森行きの深夜バスに間に合っただろうか・・・(^^;